類を見ない2つの視野
革新的な技術を搭載したライフル照準器により、近距離・遠距離両方の脅威に立ち向かうことが可能に
Ty Blanchardの率いる米軍特殊部隊は、アフガニスタンのヘルマンド州にある小さな村を守っていたところ、銃撃戦が起こり、部下が1人狙撃されました。視界の端に、一旦逃れた人影が側面に回り込んで攻撃に戻る様子が見え、迅速な行動が求められました。
Blanchardの銃には、デュアル視野のELCAN光学照準器が装備されていました。瞬時に等倍の近距離モードから4倍の遠距離モードの照準に視野を切り替え、彼自身が敵の砲火を抑え、攻撃者を立ち退かせ、部隊を安全に移動させることができました。
「武器の最大有効射程距離で正確に応戦し、敵が頭を一瞬下げるという行動を取らせたことで、私たち部隊の命を救うことが出来たのです」と、Blanchard氏は述べています。Ty Blanchardは米国陸軍に26年以上勤務し、現在は陸軍州兵に所属しながら、Raytheon Technologiesを形成する4つの事業部のうちの1つであるRaytheon Missiles and Defenseで陸戦システム担当のシニアマネージャーを務めています。
ヘルマンド州の一件は2015年のことです。カナダのRaytheon Intelligence & Space社製のELCAN Specterデュアルロール照準器および固定倍率照準器には、それ以来、さらに15%の軽量化、バッテリー寿命を50%延長、新しい薄型イルミネーションスイッチの導入などの改良が施されています。
デュアルロール照準器は、1.5~6倍の倍率で使用でき、搭載・非搭載機関銃用のカスタムレティクルを含む、実に50個以上のカスタム弾道レティクルを備えており、変化する予測不可能な任務の要件に対応します。
「多くの場合、任務が計画どおりに進みません」と、元米陸軍レンジャーであり、現在はELCANライフル照準器担当プロダクトマネージャーであるDan Pettry氏は述べています。「2つの異なる照準器を備えた武器を2つ持つことは最良のシナリオではありません」
ELCAN Specter DR照準器では、フォーカスの微調整やヘッドポジションの修正をすることなく、倍率を瞬時に切り替えることができます。この照準器は、ユーザーが状況の変化に対応できるように、長いアイレリーフと両目対応の機能を備えています。
今日では、数十万台のELCAN Specter照準器が、米国、オーストラリア、カナダ、ノルウェー、イタリアを含む世界中の連合軍に配備されています。
「部隊の全員にとって頼りになる照準器でした」と、Blanchard氏は述べています。アメリカ陸軍特殊部隊員であるグリーンベレーは、アジア太平洋のジャングルから中東の砂漠、アフガニスタンの山岳地帯に至るまで、世界中でRaytheonの照準器を使用しています。
一部の照準システムは当初商業用に開発され、後に軍事オペレーションに適応されていますが、ELCAN Specter照準システムは戦闘オペレーションを念頭に置いて設計されています。
Blanchard氏は言います。「その信頼性の高さに勝るものはないでしょう」